往復書簡プロジェクト「共通言語」は、累計200万部突破、『ビッグコミックスピリッツ』で連載中の人気漫画「チ。」とamazarashiとが、互いに相手のために制作した新たな作品を発表し、作品を通じて会話を交わすという新しい試み。「チ。」作者の魚豊が高校生の頃から最も敬愛するバンドの1つがamazarashi。一方、秋田ひろむは魚豊の「チ。」を愛読し、深く感銘を受けていた。そんな二人が出会い、共鳴したことでプロジェクトはスタート。
ロックと漫画という異なる表現でありながら、それぞれに現代社会の苦悩や無情、挫折、絶望、
そしてその先にある希望を描いてきた二人のアーティストが交わす、作品を介した濃密なコミュニケーション。
二人の「共通言語」をぜひお楽しみください
人はその本質として見えないものを
見ようとしてきた人は世界を理解する為、
世界と繋がる為に、世界を見たままとは
別の表現 / 記号に変えて咀嚼、接近してきた。
シニフィエをシニフィアンに変換して来た
世界を理解するために、別世界を作ってきた、
そしてついに、バイナリでデジタル世界を
構築するに至った。
表現とは、世界に裏切られながらも
世界の中でしか生きられない人間の営み
世界を
理解する不可能さに挫かれながらも、
世界を解釈し、理解するしか術のない人間の
営みである。
つまり人はこの世界で生きる為に、または、
生きたいと思える " 何か " を見つけるために、
表現を生み出したようにも思える。
また、そこにある 2 本の指は様々な記号に
触れる直前である。
それはこの歌詞の主人公の心情とも
一致すると考えられる
何かに触れたい。人生を賭けられる何かに
出会いたい。
そして、それに出会った事に気付いてしまいたい。
" 接触の直前 " という感覚が、この詩の
主人公の心情と重なるのではないか
指と指、
0 と 1、つながりそうで繋がらない、
遠くて近い無限の距離、
その間に
あらゆる観念と物質、海原、過程、無限の
情報量 (=世界 ) がある。
そもそもデジタルの語源は指 (digitus) である
そして、指は多様な役割を持っている
数える為に使う
つかむ為に使う
伝える為に使う
分断にも、接続にも使える。
このように指は様々なメタファーとして
機能する